小説1-V
第十節
「大陸中を? それだったら俺達も同じだよ。ベルムさんが行方不明でさ、大陸中を回って手がかりを探そうと思ってるんだ。」
「妙な偶然だな。じゃあ俺達も同行させてもらうぜ。」
「おう、またよろしくな!!」
「じゃあとりあえず、西の村の調査がまだだから、そっちに向かって良いか?」
「わかった。早速行こう!!」
一行は早速セントラルランドから西に向かっていった。
「しかし、何でこんな国を出る人が多いわけ? 誰か心当たりとかないの?」
「もしかしたら、の話ですが…王政を廃止したのが原因かもしれません。」
「なんで? それ関係あるの?」
「王政を廃止したということは、旧王国時代まで使われていた"結界"を使わなくなったということです。それを嫌い、国を出る人が急増したのではないでしょうか?」
サマイルより前の代の国王達は、魔物を遠ざける特殊な結界を街の周りに張っていた。
それこそがセントラルキングダムの大きな一つの特徴であり、民を守る要であった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!