小説1-V
第九節
名前を聞いてレイドとラムドは緊張した。二人には、それぞれ思い当たる節があった。
「サクヤ…?サクヤって…まさかあの"鬼斬り"…?」
鬼斬り咲夜…と言えば、魔物退治を請け負う者に知らない者はいない、今話題の名スレイヤーだ。
だが、ラムドは別の事に気付き驚いている様子だった。
「ヤクモ…まさか…!?」
「ラムド? どうかした…」
話しかけようとしたレイドは、ラムドの行動に驚いた。
「知らぬ事とはいえ、ご無礼の数々、誠に申し訳ありません!」
ラムドは突然に膝まづくと恒次に謝罪を始めたのだ。
「なっ!? どうしたんだラムド!!」
「いいからお前も頭を下げるんだ!!」
レイドは訳のわからないままラムド同様に膝をついた。
こんな事をしたのは騎士隊長の任命式以来だった。
「で、頼むから説明してくれ…コイツ…いや"このお方"は一体"何様"であられるんだ?」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!