小説1-V
第八節
二人とも、年頃は自分と同じか少し上のようだ。
「"イテヅキ"?共鳴だと?」
レイドは警戒しながらも、サムライ風の男に聞き返した。
「左様、そなたの刀"氷狼牙"と、私の"凍月"は、和ノ地稀代の刀工"初代小三太"が鍛えし対を成す二振り…言うなれば兄弟のような物。」
柔らかい表情のまま説明を続けるサムライ風の男は、どこか安心感にも似た独特の雰囲気放っている。
レイドはその空気に飲まれまいと、男を睨む様に問いかけた。
「…何故そんなに知っている。あんた、一体何者だ。」
男は少し、しまったといった表情をした後、また優しげな顔で答えた。
「申し遅れたな。私は八雲恒次。この"ぎるど"に属する退治屋をしている。」
男、恒次に続けて女も答える。
「立花咲夜。同じく、ギルドのスレイヤーだ。」
女…咲夜は、なぜか冷たい表情でレイドを見ると、すぐに視線を反らした。
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