小説1-V
第七節
うろたえるレイド達に、誰かが近づいてきた。
「共鳴しているのだ、私の刀…"凍月"とな。」
「誰だ!?」
レイド達が声の方を見ると、一組の男女が立っていた。
男の方は着物に袴姿で、腰は大小二振りの刀を差し、靴は足袋に草鞋。
肩に掛けた羽織には何やら爪後のような家紋が入っている。
少し長い髪を後ろで束ねている。
直ぐにチョンマゲだと、レイドは思った
女の方はというと、白の着物に、背と胸にヤタガラスの家紋が入った朱の縁取りの白い陣羽織。
下には膝丈ほどの長さの黒い袴を履いていて、少々、目のやり場に困る。
男の方と同じで、靴ではなく足袋に草鞋。
篭手と、膝当てとすね当てをしている。
どうやら魔物の外殻で出来た具足のようだ。
腰まで長い黒髪を後ろでとめ、ポニーテール状にしている。
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