小説1-Ⅲ
第七節
ガァンはとっさにそれを拾い、盾にした。
｢ぬぅぅおぉぉ!!｣
｢あれは!?｣
それはレイドが先ほど切り捨てた“ガァンとサマイルの2人がかりでも傷すら付かなかった”魔物だった。
魔物は構わず力で押してくる。
｢お前にそんだけのパワーがあんのかぁ!? やってみろよ!!｣
ガァンは足を踏ん張らせ、魔物の突撃の勢いを利用し、魔物をフワッと持ち上げる。
ガァンは亡骸を捨て、斧で魔物を打ち上げるようにぶっ飛ばした。
そのパワーに耐えきれず、魔物は縦に割れて地面に打ちつけられた。
｢一丁上がり!!｣
ガァンの後ろで、魔物が牙をむき出しにしている。
｢危ない!!｣
ラルスがとっさに魔導書を開いて前方に向ける。
魔導書から水がレーザーの様に発射され、その魔物の頭を貫いた。
｢…大丈夫ですか!?｣
｢おう、借りができたな嬢ちゃん。｣
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