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小説1-V
第四節
ふと、門番がクロウに問うた。

「まさかお前は、噂に聞く"先の勇者"ではないのか!?」

こんな外界と隔たったようなところでも、伝わるところには伝わっているようだ。

「何でも、槍を持つ男は"鬼の化身"とも謳われるとか!」

だが、"大陸全土の混乱を治めた"ということとして語られているらしい。

「おお、なんという奇跡だ。縁運ぶ風龍神よ感謝いたします。」

龍一族、か。

それはフリオスの地に眠り、時折フリオスの外界をも見守る、"属性の力"に認められし龍たち。

神々しい姿ゆえ、国によっては信仰の対象とされることもある。

"この世界"でなくとも、"風詠み"の存在する"他の世界"であれば、その存在が知れていよう。

何にせよ善を信条としようとすることは悪ではあるまい。

フロールが小声で言った。

「…しかし、クロウ。その龍一族の命運というものも…。」

「ああ。この世界はそれが"残った世界系"のひとつにすぎない。」

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あきゅろす。
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