小説1-V
第三節
やがて、砂煙の中から壁面が見えてきた。
どうやら城壁のようだ。
2人は城門の門番に入れてくれるよう頼んだ。
門番は快く迎えてくれ、町を通って王城まで案内してくれるという。
だが、やけに門番は驚いた様子だ。
「お前たち、いったい何者だ? まさか歩いてここまでやってきたのか?」
いかにも、とクロウが言えば、門番は目を見開いた。
どうやら、この国と他の国との交易はごく限られており、その交易も輸出入品運搬用のラクダを用いて行われるらしい。
その際は非常に大勢の人手でやってきて、装備も砂嵐や気温変化に耐えるため、厳重らしい。
また砂漠地帯で命を落としてしまうものも少なくないという。
そのため、旅人が個人的に来ることは今までなかったのだそうだ。
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