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小説1-V
第十節
運ばれていった生肉は、あるものは串に刺されて程よい茶色の焦げ目がつけられ、香草が添えられたり、またあるものは値打ちのありそうなプレートにさらりと火を通した少しの肉が載せられ、鮮やかなソースがちりばめられたりして注文者の下へと流れていく。

バイキングとは言え、メインディッシュは選択肢が豊富で逐次注文をしなければならないようだ。また、騎士の盾ほどもある巨大なボウルにはどっさりとサラダが入っている。各種料理や盛り付けもさることながら、やはり気になるのは"肉"である。解体ショーまで行われては、注目せざるを得ない。

一行は早速、ソースが掛けられた肉料理を頂くことにした。喉を鳴らし、ゆっくりとフォークで肉を口に運ぶ。

やわらかい。最初に漏れたのは味ではなくその舌触りだ。細い肉の繊維は間違いなく鶏肉だが、噛むまでもなく、舌の上で転がすだけでその繊維がほどける。
そして味をまとめるソースは柑橘系だが、甘みがあり酸味との組み合わせがよい。果物がベースだ。

「めちゃくちゃ、うまいな…!」

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あきゅろす。
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