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小説1-V
第七節
"長らくお待たせいたしました。間もなく出航いたします。出航後しばらくは浮上直後の不安定状態ですので、席を立たぬようお願いいたします。"

ゴウゴウという機械音とともに、体に振動が伝わる。

船体が浮上を始めたようだ。

アクリル製の窓の外を見ると、わずかな明かりに照らされた地面が徐々に離れていくのが見える。

上から見る夜のイーストキャニオンはまるで剣山のようで、少しぞっとする。

だが一行の何人かはそんなことお構いなしらしい。

さっきからずっと"腹減った"だとか"船内食は?"だとか、食べ物のことしか頭にないようだ。

"ご乗船ありがとうございます。この船はキャニオン乗船場からレイズドアイランド乗船場へ向かう第4便です。到着は明日8:00を予定しております。なお、船内食は20:20から21:50までの間、会食場にてバイキングとなっております。また、22:30になりますと船内の廊下が最小限の照明となりますので、お足元にご注意ください。"

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