小説1-V
第四節
この渡航費から考えると、到着した先でいくらかかるかもわからない。
しかし3日間は無償で過ごすことができる。
小さな島であれば短時間で情報を集めるのも苦ではないはずだ。
一行が不利となる話ではない。
それに、どうやらソイラは船内食と宿泊費サービスという言葉に射止められたらしく、一行を急かす。
「さっさと乗り込むわよ! 早く行かないと食べ物…じゃなくて、ベルムさんを逃しちゃうかもしれないわよ!」
「いや、逃げてるわけじゃないでしょ。」
ソイラはネルの背中を押して受付に料金を支払わせる。
受付の女性は勘定を済ませると、人数分の乗船券を渡してきた。それと、島のパンフレットだ。
"娯楽の島 レイズドアイランド"上空から撮られた島の全景が表に印刷されている。
中を開けば、温暖なのかヤシの木がイラストされており、島全体が図解されている。
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