小説1-V
第三節
―――
「そうですか…わかりました。」
「はいはい、お仕事頑張ってねえ。」
レイドは浮かない表情でその場を後にした。
「またベルム殿は来ていない、か…」
「お父さん…いったいどこに…」
突然沈黙した空気の中、ラルスが口を開く。
「引っ越す人も割といるらしいね。人を誘致する動きもあるみたいだし、あのラジオもその一環なのかな?」
「そうだろうね。人が居なくなっているからこそ、人を呼ぶ動きがあるんだと思う。」
「ここに来れば何か進展があると思ったんだけどなぁ…」
「結局振り出しに戻っただけ、か…」
「そういえばこの国、1年前は"東国"って名前だったよね。」
「なんでも、オムニキューブ事件の少し後に名前が変わったとかね。」
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