小説1-V
第八節
「ヌゥン!!」
霧の向こうから突如、ザーガの拳が飛んできた。
「うお!?」
ガァンの僅かな隙をラーダは見逃さない。
急いで逃げ出し、ザーガの元へ向かった。
少しずつ霧が晴れ、やがて周りが見えるようになった。
「安い挑発に乗るなラーダよ。」
「えぇ、ごめんなさい。助かったわ。」
「どうだ、まだやれそうか?」
「ちょっと無理ね…アイツにやられた傷が思ったより酷い。霧も空間の裂け目も作れそうにないわ。」
「ならば、あれをやるしかあるまい。」
「オッケー…!!」
ラーダは体を妖しく光らせる。
「何だ? アイツいったい何を…」
「止めるぞ!!」
レイは自身と剣を光らせ、突撃する。
しかし、レイはラーダの像に手応えすら感じずにすり抜け、地面に落ちてしまった。
「あ、あれ? うわぁー!!」
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