小説1-V
第四節
「あら貴方達、また会ったわね。」
「鼻の傷は治ったかい? お嬢ちゃん。」
「…生意気な。私を怒らせない方が身のためよ。」
「おいおい、俺達はお喋りがしたくて来たんじゃねえんだ。さっさとやろうぜ。」
「…そう。」
ラーダは手を広げ、紫色のオーラを全身に纏う。
そして、体から紫色の霧が辺りを覆う。
「これは街にもあった…」
「だがあれよりも霧が濃いな。」
やがて周りが見えなくなり、声だけが響く。
「貴方達がこの霧の中のどこに居るか、私にはそれが手に取るように分かる。体の一部みたいなものだからねぇ。」
「そりゃあ、厄介だな。ご丁寧にありがとよ。」
「どういたしまして。どうせ対処法なんてないしね。」
城内全体に響くように声がするからか、どこから聞こえてきているかもわからない。
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