小説1-V
第十節
レイドは刀を鞘に納めたまま、ラムドを捕らえている腕目掛けて居合い切りを放つ。
「グオォォ!!」
刀はザーガの腕を切り落とし、ラムドは解放された。
「クッ…おのれ!!」
ザーガは落ちた自分の腕を拾い上げ、翼を動かし空に浮かび上がる。
「おのれ侵入者共!! この借りは必ず返すから覚悟しておけ!!」
ザーガは飛び去っていった。
「ラムド!! 大丈夫!?」
「あぁ、もう少しでやられるところだった…ジョウ、助かったぞ。」
ジョウは腰を抜かすように座り込んだ。
「俺もあとちょっとで殺されるとこだったぜ。あー焦った。」
「私も…」
「そういや、ザーガはなんでテリナちゃんはあっさり手放したんだろうな?」
「さぁ? まぁそのおかげで助かったから別に良いんだけどね。」
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