小説1-V
第四節
翌日――
傷こそ癒えたレイ達だが、戦いの疲れからロル城の客室でグッスリ眠ってしまっていた。
目が覚めたのは昼間。
「うっ…ん…」
部屋の窓にあるカーテンの隙間から差し込む日光に、レイは瞼をピクリと動かす。
(…そっか…あのまま寝ちゃったのか…)
周りのベッドではまだ他の仲間達が眠っている。
(全身が凝り固まってる感じだな…浴場借りれるかな…)
レイは部屋から出た。
―――
「う…ん……っ〜〜…あー…」
しばらくして、ネルが目覚める。
「…んー…?」
寝ぼけ眼でネルは部屋を見渡す。
「あ、ネル。おはよう。」
「レイ…?」
ネルの目に、窓の縁に手をかけて寄りかかり、外を眺めるレイが入ってくる。
普段はやや癖毛である彼の髪が今は真っ直ぐになっているからか、ネルはその人物が一瞬レイだとわからなかった。
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