小説1-V
第八節
「フン!!」
氷塊はザーガの頭に直撃し、音を立てて崩れた。
「ククク…効かんな。」
「チッ…甲殻か。」
「こちらの番だ!!」
ザーガは空中にいるレイドに裏拳を繰り出す。
「やべえ…!!」
空中で身動きできないレイドに丸太の様に太い腕が迫る。
「レイドさん!!」
サマイルが横向きに構えた剣に手を添え、ザーガの腕目掛けて能力を発した。
「!?」
ザーガの腕の動きが突如鈍くなる。
「グッ…!!」
完全に勢いを殺すことはできず、ザーガの裏拳はレイドに当たるが、本人が防御したことも相まって、レイドに大きな怪我はなかった。
「危ねえ…借りができたな。」
「お気になさらず。」
ザーガは、自分の腕にかけられた分の重さが無くなっていることを確認する。
「一瞬、重力が強まった…妙な技だ。」
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