小説1-V
第四節
「フフハハハ!! 見つけたぞ!!」
「!?」
突如辺りに響き渡る不気味な笑い声に、ネル達は身構える。
「皆!! 上を見て!!」
上空に、大きな"何か"の影が見える。
「なんだありゃ…?」
「デカいぞ…!! 離れろ!!」
その巨大な"何か"はネル達の目の前に落ちてきた。
石畳を破壊し、轟音を鳴らしながら着地する。
「魔神ザーガだ!!」
「逃げろー!!」
逃げ惑う周囲の人々の声を聞き、ネル達は驚く。
「魔神ザーガ!?」
「コイツが!?」
骸骨の様に不気味な白さを持つ頭の甲殻と、そこからねじれる様に生えた角。
悪魔を連想させるフォルムと赤黒い色をした翼。
そして、周辺の建物を持ち上げられそうなほどに強靭な筋肉と巨体。
この世の者とは思えぬその姿は、まさに"魔神"と呼ぶに相応しい。
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