小説1-V
第四節
やや強めの南風が吹く屋上テラスに、レイ達がやってきた。
「…あ、アルム国王?」
「…貴様らは…ピューリアスを倒した連中か…」
「!? どうして、わかったんだ…!?」
「…いや、お前達とはもっと前から因縁があったな。」
「え?」
「忘れたわけではあるまい、"シグルス"という名を…」
「シグルス…? どうしてアイツの名前が…」
「…どこまでも私を邪魔するか…」
正体こそわからないが、眼前の者を敵と判断したレイはその者に問う。
「お前は…お前はいったい何者だ!!」
「我が名はウェリタス。かつてシグルスが作り出した"力"。」
「!?」
「奴が精錬し切れなんだ力は、自立し意志を持った。それが私だ。」
「そんなことがあり得るのか…!? いや、それより何でそんな奴がアルム国王に…!?」
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