小説1-V
第一節
レイズドサード――
「クロウ様。エーテル薬剤の処分が完了しましたわ。」
「ご苦労。」
「あの、クロウ様。結局居なくなった人達は皆どこに?」
「大多数はファーストに居るが、あとはこのサードに居る。一部の者は強化兵にされたようだ。」
「強化兵に!?」
「あぁ。本土大陸の北に、国王と王子以外誰も居ない国があった。ピューリアスはどうやらその国民を利用して兵力を補強したらしい。無論、大陸全土の人間も可能な限り囲んでいたようだが。」
「なんてことを…!!」
「ああ、安心しろ。幸いにも生き残っている強化兵のほとんどは、何も知らぬまま操作された、その国民達だ。」
「そうですか…」
「…俺はそれより、レイの方が気がかりだが…」
「レイ様が?」
「…」
「クロウ様。貴方にはいったい何が見えているのですか?」
「…詳しく言うことはできんが、バルーザの一族には辛い運命だ…」
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