小説1-V
第六節
レイは安堵の表情を見せると、思いがけず腹の虫がなった。
「なんだレイ…元気がないように見えたと思ったら、空腹か? …なら、近くの町で飯にしよう。」
「やった!! …あ、クロウ…俺今お金ないんだけどさ。」
クロウはやれやれというように両手を挙げた。
「そうだろうと思ったさ。」
二人は街を目指し、イーストキャニオンを後にした。
もう光の穴のなくなったこの地には誰が来ても、害を被ることはあるまい。
―――
「と、まぁこんな感じのことがあってさ。」
「へぇ、そんなことがねえ…」
「あぁ。」
「力の解消かぁ…ていうか、それ以外にも言いたいことがいろいろあるんだけど。」
「あー…まぁ気持ちはわかる。」
「白い闇なんて見たことないわね。」
「確かに。すごい珍しい物を見た気がする。」
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