小説1-V
プロローグ
オムニキューブ事件から、一年後――
「手紙?」
「あぁ。またテリナちゃんからだ。」
届いた手紙を、娘の父親は娘に手渡した。
「うん。ありがと、父さん。」
娘は自分の部屋に向かう。
階段を上りながら、娘は推察していた。
手紙の内容が、彼女の生活が平穏なものであることを伝えるものだと。
しかし…
「…えーっと…?」
“こんにちは。お元気ですか? 私の方は相変わらずです。突然ですが、また父が帰ってきません。”
「…また…? どういう経緯で?」
“新しく国王が即位してから一周年記念ということで、前国王時代の関係者…ピューリアスって名前だったかな? その人に呼ばれて、行ってくると言ったまま、もう一週間です。”
その推測は、打ち砕かれる事になるのであった。
「また、大仕事になりそうね。」
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!