続・小説2 第五節 昼過ぎ―― 「ったく、エンハンスもビーナも寝過ぎだぞ。」 「ビーナは相変わらずだが、エンハンスもか…」 エンハンスとビーナは笑っていた。 「だってしょーがねえじゃ〜ん。」 「とにかく、もうこの町は出よう。」 長居は無用だ。 しばらく進み、辺りはだんだん暗くなっていた。 町を北にしばらく進んだ場所にある平原に居る。 周りには二階建ての民家程度の高さの木がチラホラと見える。 正面の彼方にぼんやりとだが人影が見える。 特に気にしなかったが、イヴが何かに気づいた。 「…おい、あの人影…大きさがおかしくないか…?」 「…言われてみれば…」 すぐ近くの木の高さは二階建ての民家程度、もっと言うならそれより少し低いくらいだ。 人影の近くにもその木はある。 しかし、人影の身長はその木よりさらに高く、横幅に関してもデカい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |