小説1B
第五節
その次の瞬間――
「きゃ!?」
ラルスが何かにつまづいた。
「おい!」
レイドは転びそうになったラルスの腕を掴み、助けた。
「大丈夫か?」
ラルスは周りを見ながら言った。
「うん。でも今…誰かに足を引っ掛けられたような気が…」
レイドはラルスの言葉に疑問を抱いた。
「誰か? 何かにつまづいたんじゃねえのか?」
レイドはすぐに足下を見るが、原因となるような物は無かった。
一行が立ち止まっていると、ラムドが言った。
「何かが居る…俺達8人と1匹以外にもう1人。……さっき、ラルスとレイドの近くに、ぼんやりとした影の様なものがあった。」
ソイラはそれを聞くと、表情が引きつった。
「ちょ、ちょっと怖い事言わないでよ。」
怖がるソイラに、ラムドはさらに言った。
「お前の時もそうだ。後ろに"何か"がいた。しかも突然現れた…。俺には気づくのが精一杯だったが…。」
ソイラは震え上がった。
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