小説1B
第四節
一行が村を出てしばらくすると、とても大きく古い神殿にたどり着いた。
神殿内は広く平屋で、少し薄暗い。
この中では自分の影はあるようだ。
レイは皆を連れて神殿の奥へと歩き出した。
「でも良かった。幽霊なんて居ないじゃないの。怖がって損した。」
ソイラはほっとした様子だった。
そんなソイラを見てラルスが言った。
「ソイラさん、それは村の話。それに今は昼間だからね。」
そんな話をしていると、ソイラは自分の肩を誰かが叩いた事に気づいた。
「何? サマイル。」
ソイラは自分の後ろを歩くサマイルに声をかけた。
「何ですか?」
「何って…今あたしの肩を叩いたじゃない。」
「いえ、僕は何もしてませんが…?」
サマイルの発言にソイラは少し驚いた。
「サマイルは確かに何もしてなかったぜ。お前の勘違いじゃねえか?」
レイドの発言はソイラを悩ませた。
「おかしいなぁ…」
そう思いつつも、ソイラは再び歩き出した。
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