[携帯モード] [URL送信]

小説1B
第九節
レイは肩に乗ったネルの手をそっと降ろした。

「ありがとう。助かるよ。」




一通り準備が整うと、クロウは喋り始めた。

「…では始めよう。皆、注意して動いてくれ。」


そう言うとクロウは、透けた槍を静かに構え――



投げた。



それは龍の右目に突き刺さった。

ドグナルグが大きく唸りをあげると、ソイラは火の弾を放った。

クロウの狙い通り、龍の体から炎が吹き出ると、槍は一瞬で水と化した。

それに合わせるようにドグナルグの頭上から紫電がほとばしった。

ラムドだ。

龍の動きが止まると、ラムドは叫んだ。

「行け!レイ!」


ネルはレイに強い追い風を起こし、サマイルは吹き出た炎から身体を護る地の力を与えた。

「レイさん、僕の加護は長くは持ちません。さあ、早くトドメを!」


レイはドグナルグに向かって飛んだ。


剣の刃は眩く黄金色に輝き、レイが降下するとともに龍を頭から切り裂いていった。





――ドグナルグは倒れ込むと同時に煙となって、消えた。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!