小説1B
第六節
しばらく進むと、道は少しずつ平坦になっていった。
その時、先頭を歩くレイが異変に気づいた。
「!…皆、止まるんだ!」
急な声に皆は沈黙した。
辺りが静かになると、地面が揺れるのを感じた。
何か大きなモノが近づいて来ているようだ。
音は徐々に大きくなっていった。
近づいている――
辺りの木々をなぎ倒しながら――
そして、その音の正体は姿を現した。
それは巨大な龍だった。
それを見て最初に口を開いたのはクロウだった。
「"伝説"か…、厄介だな。」
そしてラムドもまた、その巨龍を知っているようだった。
「まさか…ドグナルグ!?」
ラムドが言い放った言葉にレイ達は反応した。
「ドグナルグ? あの龍の事?」
ラルスに聞かれたラムドは、深刻な顔で話し出した。
「あぁ。以前、宝剣伝説について調べていた時に本で見たんだ。確か、"人々が開発を進めていた時代、領地を得るために封じられた炎の龍"と書かれていた。ところで、龍は属性の力を合計4つ持てるだろう? あの龍はその4つのストック全てを火の力に費やしているらしい。」
それを聞いて最初に驚いたのはレイドだった
「!? つまり四人分の火の力を、たった一体で持ってるってのか!?」
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