小説1B
第四節
レイ達は村を出た。
もはや別の場所を歩いているかのような錯覚を受けた。
傾斜は今までよりも更にきつくなっていた。
幸いなことに太陽は高く照っており、体温を奪われるようなことはなかった。
「頂上までまだ暫くかかるのかなあ。」
そんなことを言いながら一行は歩き続けた。
次の村にたどり着いたのは、すっかり夜も更けた頃だった。
「今日はもう遅いですし、ここで休みましょう。進むのはまた明日にしませんか?」
一行は宿にたどり着き、腹ごしらえを済ませると、ベッドに潜り込み、寒さから身を守るように眠りについた。
朝になり、宿を出ると、辺りの建物の窓には霜がついていた。
レイは皆を気にかけて言った。
「皆、寒いけど大丈夫かい? もう少し日が高くなってから進む?」
ソイラはさも元気そうに応えた。
「大丈夫よ! あたしの力もあるんだし!」
一行もその意見に頷いた。
「わかった、じゃあ出発!」
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