小説1B
第三節
「イェルズ村長って?」
ソイラはクロウに聞いた。
他の皆も誰だかわからないという顔をしている。
「暫く前にいた村で、村長が失踪したという話は覚えているだろう? あの村の宿にあった村長の肖像画で知ってな…。」
サマイルは掲示板の絵を見ながら言った。
「しかし、こんな所まで情報が流れてくるとは…、この方はよほど頼りにされているんでしょうね。」
ネルは浮かない顔をして答えた。
「そうね…。でも、私達は先に進むしかないわ。」
間を空けずにレイが言った。
「そうだな…、山を越えることを優先しよう。でも、もし全部済んだら…俺達も捜すのを手伝おう。」
ネルもソイラも、レイの言葉に驚いた。
「アンタ、最近マトモなこと言うようになったわねえ。」
レイは振り返りながら、頭を掻いた。
次の日――
レイ達は村を発った。
村の北東は既に傾斜がつき始めている。
山も目で確認できる。
進めば進むほど、道は険しくなっていった。
目を凝らすと、建物の集まりが見えた。
「あれは村かな? まだ昼前だけど、一休みしてすぐ出発しよう。」
一行は村へと向かった。
レイ達は村で昼食を食べ終わり、一休みすると、すぐに村の出口に向かった。
「では予定通り、次に進む方角は北ですね。」
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