小説1B
第二節
レイは思い出したように言った。
「あの時の光…、この城に向かったんじゃ…?」
すると、レイの後ろからクロウが歩み寄り、話し掛けた。
「だが、東の谷には橋が架かっていないそうだ。城に向かうには、北東の村を経由して山を越え、幽霊村を目指す。そこから北東に進めばたどり着くだろう。」
「わかった。じゃあ当面は山を目指そう。」
レイ達はクロウの意見に賛成した。
次の日――
レイ達は朝早くに出発した。
谷が近く交通の便が悪いせいか、非常に閑散としていた。
村はおろか、建物すら見えない。
一行が村に到着する頃にはすっかり日が暮れていた。
レイ達は宿にたどり着くと、その表に掲示板を見つけた。
蛾の寄り付く蛍光灯に照らされたそれは、不気味さを増していた。
「掲示板…? せっかくだし、見ておきましょ。」
掲示板に近寄ると、掲げられていたのは、人の顔が描かれた一枚の紙だった。
「人…探し?」
クロウはその絵を見て、ふと気づいた。
「…イェルズ村長!?」
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