小説1B
第一節
レイ達は南に向かって歩いていた。
朝早く出発したにもかかわらず、西の空はもう赤く染まり始めていた。
「確かに南に村があるとは言ってたけど、かなり距離があるわねえ。」
レイも少し疲れた様子で応えた。
「そうだな。あ、あれ村じゃないか?」
一行の前方に淡く、門やら建物が見えた。
一行は早速宿へと向かった。
中に入るとそのロビーの壁には一枚の紙が貼られていた。
「これ、地図…だよなあ? 一応、確認しておこう。」
その地図には大陸全体が描かれていた。
「この赤く塗られてる所がこの村か…。前の宿主が言ってた村って…南東にあるコレかな? あとは…今いる村の北東にも別の村があるみたいだ。」
サマイルが、レイの横に並ぶと呼び掛けた。
「この村から例の幽霊村の方角に向かうには、回り込んでさらに山を越えないといけませんね。」
そんな2人に、イスに腰掛けたレイドが振り返って地図を見ながら言った。
「デカいクレバスが東への道を遮ってやがるな。で、幽霊村から北東に行くと城…か? まぁ、そんなのがある。そこが大陸最東端みてえだな。」
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