小説1B
第五節
信じがたい事実に一行は驚いた。
「ちょっと待って!?そんな事あるわけ…!」
「そうとも言い切れねえな。この連携のとれた戦い方…魔物じゃとても無理だ。どこかにリーダーがいる。"人間"がな。」
突然、黙り込んでいたラムドが言った。
「…やむを得ん、まずはリーダーとやらを叩くしかあるまい。ラルス、アレをやってくれるか?」
「…うん。やってみる。」
ラルスは耳に手を当て、水の力を働かせた。
「一体…何をやってるんだ?」
「水の力で聴力を低下させる要因を鎮静化して、高い聴覚を得るんだ。まあ、使った後は逆に聞こえ辛くなるがな。」
「声を聞き分けて場所を割り出すってか? でも誰が仕留めるんだ?」
「獣には、獣だ。」
ラムドはフレイヤを見ながら言った。
「ラルスが場所を示す。フレイヤ、お前が捕まえるんだ。できるか?」
フレイヤはそれに応えるように変化すると、吠えた。
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