小説1B
第六節
「あ! お兄ちゃん!!いい加減、家に帰ろうよ! お父さんとお母さん、心配してるよ!」
「そうだな。お前も想像より立派に成長していたことだし、帰るとするか。だが、お前は良いのか?」
ラルスはラムドの言葉に疑問を抱いた。
「何が?」
「レイドのことだ。お前のことだから、アイツの街に引っ越そうとでも考えているんだろ?」
それを聞いたラルスは、顔を赤くして黙り込んだ。
「図星ね。」
ソイラはニヤニヤしていた。
「でも向こうで仕事が見つかるかな…」
「安心しろ。王宮には魔道隊もあるらしい。今のお前なら、簡単になれるだろう。父さん達は俺が面倒を見る。」
「うん! ありがとう! お兄ちゃん!」
ラムドはレイの方を向いて言った。
「聞いた通りだ。世話になったな。」
「あぁ。また、いつか来てくれよな。」
ラムドは、ラルスと共に歩き出した。
背中を向けながら手を振っていた。
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