小説1B
第五節
次の日――
「さてと、皆は、これからどうするんだ?」
レイは仲間達に聞いた。
すると、レイドがまず答えた。
「俺は街に帰って、また騎士団に戻らねえとな。それと、前々から貴族達から頼まれていた事も考えてみようと思う。」
「貴族からの依頼?」
「俺の騎士団を正式に王宮騎士団にしないか、って頼まれてたんだ。以前は、貴族なんて信用できねえって考えてたから、ずっと断ってきたんだ。」
「じゃあ、何で今は?」
レイドは笑って言った。
「皆のおかげ、だ。皆のおかげで、人を信頼できるようになった。ありがとうな。」
そして、レイドは故郷の街に向かおうと門を向いた。
「じゃあ、俺はもう行くぜ。」
その時、サマイルが慌てるように言った。
「あの、僕も途中まで一緒に行きます。故郷の街はもう無いんですが…皆の墓くらい作ってあげようと思いましてね。」
「でもよサマイル、その後はどうするつもりなんだ?」
サマイルは少し考え、言った。
「…故郷の隣の街で、傭兵稼業でも始めようと思います。ただ、それだけだと収入が安定しないと思うので、もう一つ職を持ちますよ。」
「そうか…。でも、たまにはこっちの街にもきてくれよ。」
「ありがとうございます。」
レイドとサマイルは、ゆっくりと見えなくなっていった。
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