小説1B
第四節
魔物の攻撃は刃の一閃で阻まれた。
それはクロウの槍だった。
魔物の腕を弾き、そして切り捨てた。
「気を付けろ。数が多い。」
「あぁ。助かったよクロウ。」
ネルは構えながら、剣の柄に手をかけた。
「でも参ったわね…。こんな場所じゃ不利すぎるわよ。」
「こうなったら…この辺りの木を全部燃やして…!」
拳から炎を出し始めたソイラを、ラムドが止めた。
「待て!こんな所でそんな事をすれば、大惨事になる。ラルスもいるが、一撃で全て倒せなければ、消火が間に合わなくなる。止めるんだ。」
ソイラは諦めるように火を消した。
「……人の声…か。」
「人の声? この魔物の群の中に人間がいるってのか?」
「私も聞こえる。間違いなさそうだよ。」
サマイルは、魔物の押し潰そうとする手のひらをせき止めながら言った。
「だとしたらそれは、魔物に味方する人間、ということですか。」
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