小説1B
第一節
――
イーストキャニオンに光が見える。
溢れるほどの輝きの中、戦士達は帰ってきた。
「帰って来たみたいね。」
ネルは辺りを見回した。
レイは、クレーターを覗き込んで言った。
「そういえばクロウは、俺達がシグルスと戦ってたとき、別の場所にいたんだよな…。そっちでは何が起こってたんだよ?」
クロウは通ってきた光の穴を見ながら、話した。
封印されていた魔獣が乗り移ったイェルズ村長と戦ったこと――
そしてその時の会話を――
ネルは少し俯き、考えながら言った。
「魔獣にはシグルスのことが全てお見通しで、シグルスが力を精製するためのベースにされることを拒んでいたのね…。」
レイは腕を組みながら言った。
「それでさらに自分の野望まで達成しようとしてたのか…。でも、そんなに簡単に封印が破られるなんて、やっぱりあの魔獣はタダモノじゃなかったんだな。」
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