小説5 第八節 「まず鏡の塔に行くと、"自分の心の中身"が写される。そして、"自分がすべき事"が映像で写される。写された物に対する"想い"が強ければ強い程、外に出てくる可能性が高いらしいわよ。」 「"想い"? 好きとか嫌いとか?」 「えぇ。まぁたとえ好きでも嫌いでも、その想いが強ければ写された物が外に出てくる原因となる可能性が高くなる。」 正負問わねえって事か… 「ちなみに人が出てきた場合の話なんだけど、出てきた人が言動や性格まで実際に存在するその人と同じになるとは限らないの。その人を写した人の想い方で変わるのよ。」 「つまり、その人のイメージ通りの人になるって事?」 「あら、今度はお嬢ちゃんが大正解ね。その人はそのうち消えるんだけど、想いが強すぎるとなかなか消えなくて、鏡の塔から出てしまう可能性もあるのよね。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |