小説5 第五節 「な、なぁ。そろそろ本題に入らないか?」 珍しくデムスがまともな事を言った。 「そうでしたね。実はフィーラさん、あなたに"鏡の塔"のある場所を教えて欲しいのです。」 フィーラが急に真面目な顔になった。 「本気?」 「本気だ。俺がすべき事を教えてもらう為にもな。」 「なるほどねぇ…あなた、もしかしていけない事考えてたりしなぁい?」 「何?」 「誰かを恨んでるとか、そんなんでしょう? 顔に書いてあるわよ。」 「…そうさ。両親を殺し、この大陸のほとんどの文明を壊滅させたのは誰なのか、鏡の塔に行って、ソイツを探し出す。」 「あなた、何か勘違いしてなぁい?」 「え?」 「鏡の塔はあなたのやりたい事のヒントを教えてもらう場所じゃなくて、"あなたが何をすべきか"を教えてもらう場所よぉ? そこんところわかってるぅ?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |