時の流れは早いモノ
第三節
―――
それから私は、不老の身となった。
大切なご主人様を失う度に、新しいご主人様に飼われる。
このレイドという名のご主人様は、51人目。
第52代目のご主人様ができる日も、そう遠くない。
大切な人が死ぬというのは悲しい事。
最初の頃は不老という身を恨みもした。
私を不老にしている術はもうほとんど効力を失っている。
私が望めば、また元に戻れる。
けど、私は不老を選んだ。
何故なら時間の流れと一緒に人や風景が変わるのが楽しいから。
2000年以上も生きてると、人の言葉もわかるようになる。
私の言葉を人に伝えるのは無理なんだけどね。
「フレイヤ、お前の最初のご主人様はどれだ?」
えーと…
この人!この人だよご主人様!
家系図の中にその名前を見つけた私は、そこを前足で軽くポンポンと叩いた。
「…フェイン=ハーク、か。」
完
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