ある漢の日常 第一節 ある朝――― あくびをしながら丘を歩く男が1人。 「ふぁ…あ〜あ。さて、今日は何すっかな。」 髪型は炎の様で、髪の色も真っ赤だった。 頭には大きめのハチマキ、背中に鳳凰の絵が描かれた特攻服を羽織っている。 体格は大きく筋肉質だが、スリムな肉付きだった。 男が丘を登りきると、大きな町が見えた。 巨大な囲いで外の世界と隔離された町だった。 「居住区…よし、久々に入ってみるか。」 男は居住区の門へ向かった。 門番が男の姿を見て、驚きながら口を動かす。 「あ!? あなたは…"炎の覇者"様!?」 「様付けすんなよ。ご大層な異名付けられたところで、俺はただの一般人だぜ?」 「あ…し、失礼。」 「そう気を落とすな。俺自身、悪い気はしてねえからよ。じゃ、中に入らせてもらうぜ。」 男は居住区の中へ入っていった。 [次へ#] [戻る] |