小説1A 第三節 「…明日の戦いが不安か?」 「それもあるが…何故シグルスはあの時俺達を殺さなかったんだ?」 「…ああ、最初に戦った時か。」 「そう思わんか?奴も馬鹿ではない。何故生かすような事をしたか、気にならないか?」 「確かに、あの時俺達を殺しておけば邪魔者はいなくなった筈だ。」 「気になるのは風の塔でアイツが言った、あの言葉だ。確か"しつこい奴だ"と言っていたよな? とすれば、俺達を殺すつもりであの攻撃を仕掛けてきたということだろ?」 ラムドがそう言うと、クロウは少し考えてから言った。 「…力を精錬するための時間稼ぎか、はたまた何かが奴の力を阻害したか…。」 「まさか!そんな簡単に奴の力を捻るようなものがあると言うのか?」 「…奴自身、まだ力を完全に解放出来ていないようだった…、ならば十分に考えられ得る。…とにかく、今日はもう寝ろ。奴との戦いは絶対に負けられん。」 「…そうだな。」 結局、謎は解けないまま、2人は就寝した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |