小説1A 第一節 一行はひたすら南東に進んでいた。 日没を迎えるのはもう何度目になるだろうか。 「暗くなってきたな。皆、ここらで野宿にしよう。」 レイ達は比較的草木の少ない場所を選び、野宿の準備を始めた。 「じゃあまずは火ね。薪は…」 「これ位で良いか?」 レイドの横で大きくなったフレイヤが大量の薪をくわえていた。 「用意が良いわね。」 そう言うとソイラはフレイヤを撫で、薪に火をつけた。 真夜中―― レイは横になりながら封印の剣を見つめていた。 「いよいよ…か…」 「…そうね。」 レイは不意に聞こえた後ろからの声に驚き、振り向いた。 「アンタも起きてたのね。シグルスとの戦いが心配?」 「それもあるけど…俺達に倒せるのかな…って思ってさ。最初戦った時、あんな簡単に負けるなんて思わなかったし…」 レイはそう話しながら、再び剣を眺めた [次へ#] [戻る] |