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夢を見る少女は
[黄瀬/夢主/キセキ/黒子/桃井] 黄瀬誕生祝い 「シナリオ通りに(2)」

俺の誕生日の一ヶ月前に雑誌の特集が終わったと思ったら別の仕事が俺の元に来た。




「最近黄瀬君の売れが良いんで、テレビでも特集をやろうって決まったんですよ」




俺とマネージャーの前に現れた人により事は進んでいった。

俺は誕生日前後の一週間、特集の打ち合わせのため忙しく、学校に行けていなかった。
別に毎年この時期には覚悟していたことだったけど、今年は特別だった。



何でも出来る俺に出来ないものが出来て。

超える事の出来ない人が現れて、
憧れて。

いつの間にか仲間がいて、
勇花っちがいて......










「一旦休憩に入ります」




お疲れさまです、と駆け寄ってくるスタッフの人に微笑みタオルを受け取る。
そして、流れ作業の様に数時間放ったらかしだった携帯を探しカバンに手を入れて見る。


ソレはすぐ見つかった。

バイブで震え、光が点滅しメールを受信してことを訴えかけていた。


慌てて手から落ちそうになりながらもメールを開いた。





「......!...すみません、ちょっと用事出来たっス」




俺はいつの間にか現場を飛び出していた。















「セーフっスか?」


「残念ですが間に合いましたね」

「何か黒子っち厳しくないっスか!」


「仕方がないじゃないですか」

「勇花先輩待ちくたびれて寝てしまいましたよ」


「え」




そこです、と黒子っちが指すのは体育倉庫...の中のマットの上で寝ている勇花っち。
え、消えたって。あれ、もしかしてこれ嘘?




「あ、やっぱり引っかかってくれた!」


「さぁ、先輩が起きたら誕生会にしようか」




いやいや、俺仕事あるんだけど。




「仕事先には許可をとっている。今日限りだそうだ」


「相変わらず用意周到っスね」




赤司っちのたまに見る微笑みに驚きつつも、俺は単純に嬉しかった。

外側ばっか見ている人じゃなくて、
俺を黄瀬涼太としてちゃんと見てくれている仲間に祝ってもらえて―――――




















「さつきちゃんのシナリオ通りになっちゃったね。そう言えば私、何もプレゼントあげてないな...」


「?...そんなことないですよ。きーちゃん、勇花先輩の寝顔ゲットしていましたから」

「え」


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あきゅろす。
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