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夢を見る少女は
[今吉/夢主]誕生日「プレゼントは“愛”ですよ」

梅雨に入りました、と付けているテレビから声が聞こえた。
今日の天気も快晴とは言えないらしく溜め息が零れる。

思い出せば、6月には特別なことがあったはず……。カレンダーを見ると、赤丸で囲まれた3日と言う文字に目が止まる。


あぁ、今日は……




「あの子の誕生日か」




近所にある桐皇学園高校に通う彼氏の誕生日。
私は彼と同じ学校の卒業生、つまりは彼から見て先輩になる。
私はと言うと、付き合っている彼と離れたくないという理由で、実家から通勤出来る会社へ今年入社したばかりだった。


そのため私は会社員、彼は高校生として忙しく、連絡は取っているが相手の温もりを暫く感じていない。


彼は寮から出れないから、私が会いに行こう。

そう思った私は、すでに寮に向かって家を飛び出していた。









「久しぶりやないか。元気にしっとた?」

「ぼちぼち?かしら」




久しぶりに会った彼は、また少し大人っぽくなっていて格好良かった。
優しそうに笑う彼の目は私を捕らえ続け、何の様なん?っと聞いてくる。
…絶対確信犯だ、そう思いながらも私は口を開く。





「大好きな翔一にプレゼントよ」




成績優秀、部活の主将……。
余裕な顔をしながら無茶をする翔一。
だから私があげるプレゼントはーーーーーー




「おおきに」




久々に、彼を甘やかすことでした。

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あきゅろす。
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