夢を見る少女は 赤司征十郎[誕生日] (2) 「待たせたか?」 『ううん、大丈夫。私もさっき着いたんだ。』 思っていたよりも早く勇花はいた。どちらかと言えば時間ギリギリに来る奴なのに珍しい。 『急に呼び出してごめんね?』 勇花じゃなかったら断っていたと改めて思う。せっかくの久々の休み。誰かに邪魔されたく無かった。 そう思うと本当に僕は勇花に弱いと思う。別に幼馴染だから、最近疲れているんだっと断ることも出来た。 いつからだろう? 「別にいいよ。それより、僕に何の用?」 『えぇ!まだ分からない?』 この可愛い幼馴染を、自分だけの物にしたいともう思うようになったのは。 「分からないと言っているだろう?一体何なんだ?」 『ちょっと待って。ーーーはい、征君誕生日おめでとう』 少し間があって赤いラッピングがされた箱を渡してくれる。少し顔が赤くなっている勇花が可愛くて。 『!?』 男って生き物は、どんなに高価の物よりも好きな子が欲しい物なんだ。 「これもいいけど、君も欲しいな?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |