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夢を見る少女は
[赤司/夢主] ホワイトデー赤司ver 「あげるって」

義理として贈ったお返しは、やはり義理なのだろうか?






3月14日、ホワイトデー。

私がマネージャーを務めるバスケ部にチョコを贈ったあの日から1ヶ月。部員数が100を超えるので正確に言えばチョコを渡したのは1軍のスタメンだけなのだけど。今日はお返しをもらう日な訳で。どんなものを貰えるのか、楽しみにしてないと言えば嘘になる。

バスケ部には朝練があり、その時に1人からはファンの子にもあげないといけなくなるので、っと渡せないと告げられた。休み時間には4人の人からお礼と共にお返しだと貰った。残る1人とは話すらしていない。


------実はその残る1人の人から貰うのが一番楽しみにしていた私にとっては、とても残念な訳で。名前を呼ばれる度に期待してしまい、その度に不覚にも溜め息を吐きそうになる。



『全く。私の事を知らずにあいつは、』


「何を言ってるんだ?」


突然の溜め息の原因である人物の登場に驚いている私に、いつもと変わりない一言の言葉にでも圧倒的威圧感を加えて話しかけてきたのは、



『赤司君?』


「質問に答えろ。一体何を言っていたんだい?」



嘘を付いても無駄な相手だと分かっているので(以前嘘がバレた後、ものっすごく説教されたので)素直に話すと......笑われた。



「悪いけど俺はお返しは持ってきてない」



「その代わり、」
















「俺が勇花の彼氏になってあげるよ」




私はこの日、どんなプレゼントよりも価値のある関係を君にもらいました。



(でもそれって、「あげる」って言ってるよね?)

(言ってない)

(あはは、照れちゃって可愛い)

(照れてない!)



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あきゅろす。
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