[携帯モード] [URL送信]

夢を見る少女は
[青峰/夢主] ホワイトデー青峰ver 「意地っ張りな」

素直になれない私と彼は喧嘩をしてしまった。喧嘩するのは付き合う前からよくあったけど......流石に寂しいよ。


ーーー今日はホワイトデー何だよ?


はぁっと溜め息が零れる。そりゃあ私にも原因があったかもしれない。でも、仕方がないじゃない。私だって初めてだった。



「勇花ちゃん、まだ怒っているの?」


『そりゃあ誰でも怒るよ』



事の発端は一週間前。
私が同じクラスの男子と話していたところから始まる。その日、日直同士だったその子とは当然話すことがたくさんあった。結果、それで嫉妬した彼の行動が私を怒らせることになる。抱きつかれた事は正直嬉しかった。でも、みんなに見せつけるように私のファーストキスを奪った、それが私の怒った原因なんだよ。その後恥ずかしいの半分で怒ったのが今回の喧嘩の始まり。



『大輝何て知らない』


「青峰君も反省してるみたいだよ?勇花ちゃんに避けられてる。どうしたらいい?って私にそう言ってきたんだよ」



知ってる。休み時間の度に「勇花いるか?」ってくるもん。
でもね、仕方ないじゃない。私も大輝と一緒なんだ。私も嫉妬してるの。笑って許そうと思っていたのに、そう思っていたのに。久しぶりに私から会いに行ったのに大輝はバスケに夢中で。黄瀬君が先に気付いて気を使ってくれたのに「さつき、タオルとスポドリ〜」何て言うんだから。あの鈍感だって言う緑間君も「青峰」っとアイコンタクトをとるが虚しくも「何見てんだよ」の一言で終わってしまう会話。

悲しくて、居心地の悪くなった空気に耐えられず、私は体育館を飛び出した。よく帰り道に寄る公園でギィっとブランコに身を任せる。しばらくして走る人の気配を感じ振り返ると...さつきだったわけだ。



「私じゃ説得出来なかったよ。ごめんね」



それだけ言うと彼女は公園から姿を消した。















空は明るさを無くし始め、気温も伴って低くなる。どこかできっと来てくれる。そう思い大輝を待っていたが来なかった。ここは大輝も通る道なのに。



『大輝のバカ』


「誰がバカだって」


『...大輝』



いつからいたのか、公園の入口に突っ立ってたのは大輝だった。体操服を着ている所と時間からして自主練も済ませて帰ってきた所なんだろう。



「悪かった」


『今更』


「ホワイトデー。忘れてなんかねーよ」


『...私が怒ってる原因知ってる?』


「分かんねぇ。けど」






ーーー俺はちゃんと勇花が好きだから






ニカっと笑い頭をくしゃりとする大輝にポカンとしていると「ほらよ」と渡されたのはピンク色の箱。


そんな事されたら許すしかないじゃないか。



『私も大輝が好きだよ』



喧嘩したり、嫉妬したり。それでも一緒にいるのは私も大輝も小さいながら恋をしているから。

私は抱きしめる彼の背中にそっと自分の腕を回した。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!