青い君を愛する少女は 入学式 「お前には夏の大会まで、バスケ部に入って欲しいんや」 朝、兄貴に言われた言葉が頭を横切る。 男装はさせられる、おまけにバスケ部に入れって...。理由が気に入らない。だって、青峰大輝の世話係。それだけのために! 『んー。まぁ、入学式何てダルいだけだし...。あっ!屋上行こう』 もう俺の高校生活はめちゃくちゃだ。 せめて今、血の上ってしまった頭を冷やそう。 ギィイイイーーーっと音を立て開くとそこは誰もいなかった。そりゃあ現在入学式の真っ最中ですから。そう誰もいない。 コロンっと横になる。やっぱり一人はいいな。人に合わせなくていいから楽だ。 「お前誰だよ」 『お前こそ誰だよ!』 訂正。一人じゃなかった。体格、身長は良く肌はガングロみたいな奴。 制服が真新しいところから、俺と同じ新入生なのだろう。しかし高いなコイツ。さすが男子。 「青峰」 えっ? 「聞こえなかったか。青峰大輝。お前は?」 『今吉翔弥』 「翔弥、お前は入学式。行かねぇーの?」 いやいや君もだろ?俺より先にいるって...。クラス表も見てないんじゃないか? 『あぁ。俺は人が多いの嫌いなんだ。別に俺やお前の一人や二人。居なくてもバレないさ。』 疑問に思いつつもそういう。 青峰?だっけ。コイツも俺と同じ事を思ってきてるんだろうし? 「...」 『どうした?』 「...プッハ。お前みたいな奴もいるんだな」 『はい?』 急に黙ったと思ったら急に笑い出す。失礼な奴だ。 あれ?今思ったけど...。 『ねぇ?帝光中出身だったりする?』 [*前へ][次へ#] [戻る] |