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青い君を愛する少女は
運の無い

兄貴の言った言葉が頭を駆け巡る。

何で寮長の弟として任務があるんだ。いい迷惑だ。それよりも女だってバレないように一人部屋に出来なかったものか。

言いたい事がたくさんあるが仕方がない。
はぁっと今日何回目になるであろう溜め息を付いた。



『あの〜、すみません。今吉翔弥って言うんですが、部屋割りはどうなってますか?』


「この角を曲がって突き当たり...の部屋の正面」


『ありがとうございます』



受け付けの様な場所にいる人に聞けば業務的な会話が返される。おそらくここの管理人って立場の人なのだろう。名前を言えばノートに線を引いてたし。きっと門限以内に帰って来てるかとか記録しているのだろう。










聞いた通りの場所に着くとドアの横には名札が吊られてあり、今吉翔弥って言う札ともう一つ。



「よぉ。お前かよ同室の奴は」



青峰大輝っと書かれた札が仲良く並んでいた。
まさかとは思っていたが、そのまさか。青峰と同室なのか。

理解したと同時に聞こえる声と、タイミングの良さに運が悪いと感じる。
今なら「溜め息付いてばっかやと幸せ逃げるで?」っと言われた言葉を信じるしかなくなる。



『え゛、マジで青峰と?』


「すっげぇ嫌そうだな、おい」




『うっわ、マジかよ。ってか、嫌そうだな?あぁ、嫌ですよ。普通にエロ本片手でぶらついてる人と同室なんだからさ。もぉ、マジで!』




はぁ、これからよろしく。



「...。」


『どうした?』


「いや。建前と本音、逆になってねーか?」


『あら〜。...まぁ、細かい事は気にすんな。部屋に入ろぜ?』



確実にあの腹黒メガネの手によって仕組まれていただろうこの部屋割りに『これか、任務ってのは。切実に、切実に誰か代わってくれよ。』っと内面思いつつ諦めた。







俺の人生初の同室者は、男子でした。

それも思いっきり肉食系の、
危ない人物。





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