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青い君を愛する少女は
お兄様のいう事は...?

俺と良が加わると、入部員を一通り見回した兄貴は集まった順に紹介してくれっと指示を出した。
要するに俺で最後。



『今吉翔弥です。バスケはやった事がありますが、経験は浅いのでお手柔らかにお願いします』



うん、嘘は言ってない。やったことはある。でも、男子じゃないんだから力は負ける。経験が浅いで十分だろ。

そうこうするうちに門限が刻々と迫り出す。



「今日はこれで終わりや。練習は明日から。新部員やろうが手加減はなしや。今日はゆっくり休んで明日に備えとき。2年と3年も時間無いさかい自主練はせんと真っ直ぐ帰りぃ。...ほな、解散」



ありがとうこざいましたっと各自が動き出す中、俺は兄貴に確認したい事があった。



『なぁ、兄貴』


「?何や翔弥」


『ちょっと確認なんだけど...』



まさかねぇ。そう思いながらも確認したい事。それは、



『俺って......男子寮ですかね?』


「当たり前やろ。男子やからな」


『ですよねー』



マジかよ。どんな拷問だ。
仮にも中身は女子だよ、女 子 高 生 。学校内だけ男装生活するのと、学校プラス男子ばっかりの寮で青春真っ盛りな生活には差があると思いません?
それこそ天と地程の差が!



「まぁ、何かあったらワシのとこ来ぃ。寮長しとるさか1人部屋なんや」


『じゃあ、寮長の権利でどうにかしてくれよ』


「無理に決まっとるやろ。逆にお前には寮長の弟として任務が待っとるんや。せやさかい大人しぃしときぃ」



おぉ、これがあの有名な黒笑って言うやつか。爽やかに笑っているけど明らかに地獄の内容じゃないか!

...まぁ、これが普通の人っやったら言い返せるがうちのお兄様は一味も二味も違うお方でいらしゃる。



『仰せのままに』



尚も笑い続ける兄貴に踵を返し寮へ向かう。





(はぁ、何だよ任務って。)




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