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青い君を愛する少女は
気付いてしまったこの気持ち -青峰side-

今吉サンは見学しとけって言ってたし大人しくしとくか。マイちゃんの写真集も飽きてきたとこだけど。どうせ今から寮に戻っても暇なだけだしな。

そう思った俺はボールが管理されている(さっき取りに行っているのを見た)倉庫に向い、一つだけ手に取り元の場所の戻って来た。手元にあるだけでうずうずしてくる。バスケしてー。なのに、見たところ俺とまともに出来そうな奴は一人としていないようだ。そりゃそーか。俺に勝てるのは俺だけだ。右手の人差し指の先でクルクル回して見る。



『兄貴ー。ちょいと用事が出来たんで抜けるわ。』



ふっと声をした方を見ると翔弥がいた。



「はぁ?何言うとるんな。今から居る奴だけでも自己紹介してもらうつもりやったのに...。」


『じゃあ行こうか?』



桜井ーーー良って言うんだっけ?そいつと翔弥が体育館を出て行った後ろ姿があった。見た感じだと良の奴があいつに無理やり連れて行かれてるのが分かる。

なんだろ、気になんな。別に他の奴なら何も思わねぇんだけど、なんでだろ?無性にイライラする。翔弥が良の手を無理やり引っ張っているーーーただそれだけなんだぞ?



「あぁ、クソ、」



気付けば体が動いてた。



「ちょっと青峰くん?」

「青峰までどこ行くんな?」



何て止める声が聞こえた気がするが、ゾーンに入った時みたいに俺が必要としない音はすべて聞こえなかった。




ーーーバタン










だけどこの行動が俺を苦しめる事になった。


「あのまま体育館にいれば」



そう思わせる出来事がーーー





「ーーー好きですか?」


『もちろんだ。好きに決まっている。』




「っ、」



何だよそれ。追いかけて来てみれば。良と翔弥がイチャついてるだけじゃねーか。...何考えてんだ俺は。そう、たったそれだけの事。あいつらは元々赤の他人。それも今日知ったばかりの浅い知り合い。俺には関係ねー。

そのはずだ。なのになんなんだよ。こんなにも、




苦しい




なんなんだよこの気持ち。







(気づいてしまった気持ち)







それはアイツがーーー翔弥が何処か遠くに行くのが嫌と言う気持ち。誰にも取られたくないと言う気持ち。
男同士で持ってはいけないこの感情。俺は、





今吉翔弥、お前が好きだ。




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